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月に寄りそう乙女の作法 レビュー

ルナとユーシェ、月と太陽、陰と陽、男の娘と男の子。
2人のヒロインの造形も主人公の立ち位置も対照的ではあるが、どちらが好みかと聞かれれば断言できる。
たとえ、はりぼてで偽物の太陽だったとしても、ユルシュールが大好きだ。


と、世紀の大告白風(誇張)な導入をしたのですが、本作では、ルナこそ真ヒロインとおっしゃる方が多い中、
たとえ、CGの枚数が少なくても、挿入歌がなくても、ショーの演出がしょぼくても(ギャグじゃない)、
タイトルからして明らかに贔屓されていたとしても、etc、etc、、、
あくまで、ユルシュールこそ真ヒロインだと断言します。譲りません。

というか初回でユーシェを攻略したのですが、個別EDテーマがあるのかと思うくらい、
まるであつらえた様に、EDがユーシェとマッチしていました。不思議です。いや、真ヒロインだから不思議じゃない。

正直な話をすると、単純にルナとユーシェのキャラ造形という観点では、
ビジュアルなど含めて体験版部分まででは、その魅力にはどちらにもそれほど差はなく、
ユーシェの中の人、五行なずな分で個人的にやや優勢という程度でした。

そんな2大ヒロインの差を決定的にしたのは、いうまでもなく個別シナリオに尽きます。

無駄に長くなってしまったので、レビュー本文は追記で。
[1]では単純にユーシェルートの感想、
[2]ではユーシェルートとルナルートを比較しつつ、気に入った、気に入らなかったところなどを書いていき、
[3]ではその他いろいろと書きます。


最近、レビューは別に上げていたので、更新が滞りがちになっています。
これもそれのコピーです。
[1]ユーシェルートの感想

ユーシェルートといえば、挫折と成功がメインテーマでした。
ユーシェは作中で3度の挫折を味わうことになりました。
1度目はクワルツ賞でのルナへの敗北、2度目はフィリコレのデザインコンペでのルナへの敗北、
そしてダメ押しの3度目、まったくの予想外、学園主催のデザインコンペでのルナへの敗北です。
1度目は隠れて歯を食いしばって、2度目は余裕を失って、3度目にはついに涙を見せて折れてしまいました。
「失敗は成功の母」、「努力は実る」、それをどんなに彼女が信じても、ルナの才能の前では一笑に伏されてしまうのです。
しかし、一見そのとおりでしたが、振り返れば決して無駄なことなどひとつもなかったのです。
1度目の挫折は、「遊星とのきっかけ」を、2度目の挫折は、「勝利への手がかり」を、そして、3度目の挫折では、「再戦の機会」を得ました。
3度目の正直なんて言葉にも夢破れて、ルナの圧倒的な才能の差を見せつけれれて、
立ち上がれなくなった彼女を奮い立たせたのは「私の愛する人になんてことをする」、そんな遊星への愛情でした。
それでも、行き詰まり、落ち込み、八つ当たりもしました。
結局、彼女は友人に尋ねるのです。
「自分の良いところはどこですか?」
このプライドもかなぐり捨てた問いには、これまでの自分は全部、失敗だったのではないか、とそんな不安も見て取れます。
しかし、友人の答えから、これまでの自分には何一つ間違いなんてなかったと自信が持てたからこそ、
前言を撤回して、1度は敗れ、お蔵入りするはずだったデザイン「美しき我が祖国」を完成させたのです。
遊星と最初に完成させたデザインを今度こそと持ちだした、(これは推測ですが、湊に指摘された「ルナっぽい」部分を修正したのでしょう)
そんな彼女の健気さには言葉もありません。
しかし、確かにデザインはルナのものと並ぶものでしたが、まだひとつ問題点が残っていました。
彼女の衣装から「スイス」を想起させるのは、日本というお国柄から難しく、
ジュネーブ、永世中立国、そんな記号は知られているものの、芸術とは結びつきません。
この部分は、結局最後まで、ユーシェも忘れていたのでしょうが、彼女は一人ではありません。
そこにちゃんと遊星は気づいて、一計を案じ、夏の花である「エーデルワイス」、
日本人なら小学校で誰もが歌う、白い花を、南半球から取り寄せていたのです。
その「デザイン」は、桜小路に票を入れるという衣遠の前言さえ翻させて、
2人の衣装は見事、審査員の満場一致で最優秀賞を飾り、三度の挫折を経て、とうとう成功を収めたのでした。


挫折ものというのは、やはり、つらいものですが、この作品では、3度の挫折全てを4度目の成功につなげています。
また、ルナルートと違い、主人公がパタンナーとしてだけでなく、
エーデルワイスの生花を使うという"デザイン"で、自分の才能を否定した兄に一矢報いたのも実に痛快でした。
二人の凡人のデザインが一人の天才のデザインを上回った瞬間でした。

恋心が愛情に変わる、挫折から立ち上がる、失敗を成功につなげる、そんな過程を余すところなく描ききったシナリオの
重すぎず、かといって軽すぎない、さじ加減はまさに絶妙でした。

希望と失望で上下し、揺り動くシナリオの展開も緩急が効いていましたし、当座の目標として打倒ルナが掲げられたことで、
シナリオに牽引力も生まれて、個人的にはルナルートでは過去話などで感じた中だるみも、ユーシェルートでは無縁でした。
なにより、そんな荒波のようなシナリオの中で、喜怒哀楽を、
甘えシュール、怒りシュール、泣きシュール、強気シュール、大人シュールなどなど、
実に幅広い感情を演じきった五行なずなさん、万歳!!

また、主人公が余計なことを言ったためにネタ化していた「ですの」が後半消えてしまったかと思ったら、
要所、要所で挟んでくるのが効きました。
前半がジャブ連打なら、後半は改心のストレートです。
こうあれです、ずっとチロチロ、ペロペロしてくるのに、狙い済ましたかのように、意地悪く甘噛みされて、うっ、てなる感じです。
まったく、可愛くて困りますね。

日本語だと残念なことになる、、、そうですが、
プラトニックとプラスチック、シリアスとシリアル、を間違えているあたり、英語やフランス語を話しても残念な感じになりそうです。
まったく、可愛くて困りますね。

お姫様で、普段ツンツンというか、強がってるのに
「全部あなたのものです。触れたいです?」とか言われるとたまりません。
まったく、可愛くて困りますね。

あと、初エッチ(未遂)のシーンで、日本語がわからないながらも、
たどたどしく日本語で現状の気持ちとか感覚を伝えようとするユーシェが健気です。
まったく、可愛くて困りますね。

初エッチ失敗も嫌いじゃない。
まったく、可愛くて困りますね。




[2]ユーシェルートとルナルートの比較

まず、1点としては、主人公の立ち位置が違います。
ユーシェルートではフィリコレのデザインの考案段階で女装バレするのに対して、
ルナルートでは、それよりも4ヶ月近くたった後、個別シナリオとしても。、8割を超えたあたりで女装バレすることになります。
これによって主人公のヒロインへの対応も、ユーシェには男としての擬似的な恋愛関係、ルナには女としての主従関係がメインになっているのです。

ユーシェとの関係を擬似的と書いたのは、作中でサーシャが述べているように、主人公からユーシェに向けられる感情が
>"感嘆"は彼女の才能を見てから起こり、"自問"は自分の才能と照らし合わせて起こり、
>お互いの才能の完成品を想像するところから希望が始まっている
というようなものだからです。
これは同じ過程をたどった場合、他のヒロインに対しても起こりうるもので、恋心とは少し違っていて、
それと、主人公がユーシェに対して、彼女の才能と直向な努力に対して感じていた本来の愛情が混ざり固まって、
そして、ユーシェが三度目の挫折、彼女がルナから敗走しあの時、ついに本物の愛情に昇華された瞬間はすばらしかったです。

ルナと朝日が11月の女装バレまで、ゆっくりと主従として、主人が拭い去りがたい過去を明かし、朝日を信頼し、
そして、恋心を実らせるまでの過程に比べて、ユーシェと遊星の関係は軽く見えるのかもしれませんが、
私はむしろ、そんな2人の初恋は、「恋に恋する」のに似た、青臭いジュブナイルを感じました。

>私だって遊星さんが生まれたときから私を愛するためだけに育ったとは考えていません。
>可能性ならルナや湊や瑞穂にもあったでしょう。
>要はきっかけとタイミングが私たちの恋愛にぴたりとはまったということです。
>もちろんこの出会いを運命だというなら、遊星さんは私の運命のひとです。

決して初恋に酔っているわけでもなく、かといって斜に構えているのでもなく、
運命を信じる少女らしさも確かに備えていて、
それでいて、きっかけがあたえられ「一度火のついた愛しさ」が消えないようにと願い努力し、
自分で言っておきながら「他の可能性」を考えて「もうもう」とポカポカパンチをしながら嫉妬したり、
ユーシェのなんとまあ、愛らしいこと。


話がそれてユーシェの愛らしさをを力説してしまいましたが、
次に主人公がヒロインの前で、誰かに屈辱的な行為を強いられたシーンについて
ユーシェルートでは、ルナの挑発に乗らないユーシェに業を煮やしたルナは、朝日を四つんばいにさせ、馬扱いしてお尻を叩きます。
ルナルートでは学院長室に呼ばれ女装バレしたシーンで、ルナの退学を避けるため、犬のように跪けと衣遠に命令されます
どちらも間違いなく主人公にとって屈辱的な(前者はご褒美かもしれませんが)行為で、それを見た2人の対応も決定的に違いました。
ユーシェは3度の敗北で立ち向かうことも恐ろしいルナに対して、「私の愛しい人に何をする」とはっきり怒って見せたのです。
一方のルナは、内心はどうあれ、朝日のその行為を見逃しました。
当然、主人を守るための従者の行為として、従者の面目を守ったなんて見方もできなくはないですが、
2人の対応を見たとき、私にはユーシェの対応のほうが好ましいと断言できます。


次に遊星が衣遠と対峙するシーンについて、
このどちらでも、遊星は兄を見返す、という決意を秘めている点では違いはないのですが、その質は決定的に違いました。
ルナルートでは、失敗した場合を一切考えていない(そのように見えた)のです。
自分は絶対にルナの衣装を完成させて、兄を認めてもらうという絶対の自信が感じられました。
一方のユーシェルートでは、彼女が最優秀賞をとれなかった場合の自分の扱いまでもベットしておきながら、
その時は逃げればいい、もともと大蔵の名前に思い入れはないし、"生きてさえいればなんとでもなる"、
そんな、ワインセラーで生まれ変わった時の強さを感じました。
この違いについては天才のルナ、秀才のユーシェ、そんなパートナーの影響もあるように感じられます。
ただ、私としては、兄の思い通りになんかなってやるか、この人生を楽しくするんだと言う決意、
また自分から条件を引き出して交渉する、したたかさをユーシェルートでの主人公に強く感じました。


ところで、2度連続で挙がった、ルナルートの学院長室でのシーンですが、どうにも腑に落ちないことがあります。
まず、衣遠が「盗作」をした事実、これは覆せないし、ルナ達が訴えれば隠し通せないものとします。
その場合、ルナ達が訴えない理由が納得いきませんでした。
衣遠が言うには、もし盗作を公表した場合、
①ユーシェ、湊の実家に圧力をかける
②ルナを退学にする
③服飾業界に圧力をかけて、ルナが一生日の目を見られないようにする
この3点で脅しをかけてきました。
まず、①について、家の規模を、大蔵>=桜小路>フォンメール=花之宮(分家筋)>柳ヶ瀬 とします。
ルナの家の規模については、大蔵よりは小さいものの、財力による圧力には屈しない程度に大きいものと会話内容から判断できます。
とすると金銭面から圧力を掛けられて厳しいのは他3家となるのですが、同程度の財力を持つルナがいる限り、
大蔵が圧力を掛けてもルナが援助すれば、仮に4家合わせて大蔵に勝てないにしても、即死はありえないでしょう。
②については、そうなったとしても、別の学校に行くなり、再入学するなり手はあるので、脅しの内容としては微妙です。
最後に③について、朝日が衣遠に頭を下げた最大の理由がこれですね。
既に大成功といってよいほど成功を収める衣遠が、理由はあるとはいえ名誉あるクワルツ賞を辞退したルナを、
つま弾きにしたとなっては、ルナの未来は潰されたも同然です。
しかし、ここで問題になるのは、衣遠が「盗作」したという事実です。
常識で考えて、ファッションなど芸術分野で1度でも盗作が明るみに出て、現状を保てるかとなれば無理ではないでしょうか。
比較的にパクリ、パクラレに寛容な?アニメ業界でさえ、2度目のトレパクで追放された人もいるというのに。
しかも、大蔵は父の代で勢いが削がれ、現在は衣遠の立ち上げたアパレル関係の企業を中心に盛り立て直したそうな。
そんな屋台骨ともいえる部分に、盗作のひびが入ってしまえば、一気に崩壊してしまう気がします。
そうなれば③など到底不可能ですし、①についても先に猶予があると述べたように、脅迫内容としては微妙です。
さらに言えば盗作された側、つまりルナにしてみれば、盗作を公表してしまえば、
自分の作品が評価されることになるのですから、黙っている必要など微塵もありません。

以上を鑑みて、遊星があそこまで屈辱的な行為を強いられる妥当性も納得いきませんし、
また、上で述べたような穴を見逃してしまうルナには不甲斐なさを感じます。

また、ユーシェルートでは失敗した場合も含めて、主人公は兄を出し抜くことを考えているように読めましたが、
どうにもルナルートではこの後に及んで、兄の慈悲に縋ろうとする態度に見えてしまい、どうにも主人公が弱弱しいのです。
これが言いすぎだとしても、ルナでは「兄に才能を認めてもらう」、ユーシェでは「兄に才能を認めさせる」くらいの違いがあったと思います。

男の娘主人公ものというと、こんな可愛い子が~というだけでなく、
ぼろを着ても心は錦ではありませんが、いざという時には、そこらの男よりも、
度胸が据わって男らしいところを見せるというのが、肝ではないかと思います。


次に、大蔵衣遠についてです。
この作品ではラスボス的扱いなのですが、複数ライターのせいか、各ルートで、キャラが微妙にぶれて困ります。
というか正直、ルナルートでの彼は目に余ります。
ユーシェルート中、彼は、常に利害から判断を下す、と自分を評価していますが、その唯一の例外が、腹違いの弟、遊星だとも言っています。
たしかに、一見、激情家に見える彼ではありますが、ただ憎いという感情から誰かにはたらきかけているのは遊星だけでした。
しかし、遊星を憎みつつも最低限の体面は守っていた彼が、例え勝算があるとはいえ、違法行為、
しかもアパレル業界に携わる人間として、盗作までするものか?と疑問を覚えます。
また、もし仮に、そこまでしてしまうほどの憎しみがあるにしても、何らかの説明は欲しかったですし、
それほど憎んでいるなら、才能があるからといって、ルナルート最後に遊星の頭を撫でて弟と認めるのも、いまいち納得できません。

現状では、不出来な妾腹の子、という原因しかわからないので、
瑞穂、ユーシェルートでの対応はわかりますが、ルナルートはやはり、やりすぎという感想でした
このあたりも、ユーシェルート>ルナルートの判断基準の1つになっています。

とにかく「盗作」、これが問題なんですよね。
衣遠とスタンレーは互いの実力を認め合っているから友人なのだそうですが、
衣遠のした「盗作」っていうのは、サーシャの昔話に出てきた、「わざと失敗しようとしたこと」と同じくらいに
スタンレーに対しては裏切り行為ではないかと思います。
雌犬もしくは雌犬の子との関係で、衣遠をそこまで駆り立てる何かがあるというなら、
絶対に説明が必要だったのではないかと思います。


[3]そのた
瑞穂と湊ルート、それぞれ、女装バレルート、一般人ルートで特に面白くなかった。
もっとギャグ色に走って欲しかった。

エロシーンが全13回で定価10290円としてはかなーり少なかった。
一人5回は最低でも欲しい。
服飾の学校なのだから、ドレスエッチとかコスプレエッチは欲しかった。
特に、ユーシェがフィリコレで着た青いドレスでのシーンがないのはどういうことか。
「今日、一番輝いた女を好きにしていいのよ」ってユーシェに誘われて、女の裸を見ても立たないとか言ってる主人公を
辛抱たまらなくさせて、「今日は私がリードするつもりだったのに」的なシーンが欲しかった。

ルナルートで明かされる、ユーシェの家族との確執の理由がくだらなさ過ぎて、思わず笑った。
サーシャの衣遠への逆恨み?といい似たもの主従でちょっと胸がほっこりとしました。

ファッションについてはあまり突っ込みたくないのですが、
ガチのプロデザイナーを1人2人用意するくらいの意気込みが欲しかったです。

イチャエロ多めのFDを希望です。


以上、かなり長くなりましたが、大体全部感想は書けたと思います。


さて、次は、祝福の鐘の音のまりあがなずなんで待っているので(翻訳希望)、このあたりで。
サリュ (ごめんあばずれ と迷った)


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プロフィール

水と油も使いよう

Author:水と油も使いよう
好きな作品は「Dies irae」。間違いなく思春期特有のあれをこじらせた人間です。ブログタイトルですが意味はありません。しいて言うなら語呂、ちなみにマヨネーズは嫌いです。男、年は2周りしていないと言うことにしておきます。

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